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福良 雀


Fukura Suzume
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ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で
ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で
子供を奴隷として虐待する邪悪な大人の男たちの組織グランデリニアに対し、
七人の少女戦士ヴィヴィアン・ガールズが立ち向かう死闘の物語。


ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で
(2000/05) ジョン・M. マグレガー
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ヘンリー・ダーガーの絵を最初に見たのは、
近所の書店で立ち読みした『パッション・アンド・アクション―アール・ブリュット』
というアール・ブリュットのアーティスト達の作品集でだったと思う。

パッション・アンド・アクション―アール・ブリュットパッション・アンド・アクション―アール・ブリュット
(2008/10/25)
小出 由紀子

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「アール・ブリュット(仏:Art Brut「生の芸術」)」とは
1949年にフランス人画家・ジャン・デュビュッフェが提唱したもので、
英語で「アウトサイダー・アート(英: outsider art)」ともいう。
その解釈は様々だが、おおざっぱに言ってしまうと、

「芸術的訓練や知識に汚されておらず、
 古典や流行のパターンを借りない、
 創造の源泉からほとばしる真に自発的な表現」

というものらしく、

「子どもや、正式な美術教育を受けずに、発表する当てもないまま、
 独自に作品を制作し続けている者などの芸術も含む」らしい。

このアール・ブリュットの作品集の中で、
ヘンリー・ダーガーは、やはり異彩を放っていたように思う。

単純に、いいなと思った。
水彩絵の具の透明な色、子供が描いたような線。

「こんな絵が描きたいな」とも思った。

無邪気だけど毒のあるPOPさ。
最近の流行のようにも思え、
その時アール・ブリュットの意味を知らなかった私は、
勝手に若いアーティストだと思い込んだ。

そして、次にこの『非現実の王国で』をやはり立ち読みで手に取り、
その認識が間違っていたことを知る。

ダーガーは1892年シカゴで生まれた。孤独の中で一生を終えた人。
その生い立ちや人生は色々なところで紹介されているので省くが、
本当に孤独(涙)

この『非現実の王国で』は、ダーガー19歳から、
亡くなる半年前に老人ホームに収容されるまでの約60年もの間、執筆が続けられた。
しかし、その間どこにも発表されることはなかった。
ダーガーが住んでいたアパートの家主であり、芸術家でもあるネイサン・ラーナーが
ダーガーの持ち物を整理するために部屋を訪れた時、ようやく、この物語は発見された。
それは、数百枚の挿絵と1万5,000ページ以上におよぶテキストだった。

私が毒と感じていたものは、意図的なあざとさではなく、
イノセントな魂の発露、叫びに近いようなものだったのか。

一方、このPOPさは何だろう。
彼は広告の写真を引用し、カーボン紙を使ってトレースしたりしていたらしい。
しかし、そんな説明では収まりきれない、
大いに意図的な彼の芸術的感性の鋭さを私は感じてしまう。

そして、彼は60年の間、何を考えながら一人制作を続けていたのだろうか。
誰に見せる訳でもなく。
彼亡き今、それは永遠の謎なのかな。

過去に何回か日本で展覧会が開催されたそうだ。是非またやってほしい。
|18:28| アート | comments(0) | - | posted by
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